【6月21日 AFP】男子テニスのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は20日、フィーバーツリー選手権(Fever-Tree Championships 2019)で審判団を批判した上に、線審の一人について「試合を不正操作している」と攻撃するなど、またも後味の悪い騒動を起こす中で大会から姿を消した。

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 ロベルト・カルバレス・バエナ(Roberto Carballes Baena、スペイン)との1回戦に臨んだ24歳のキリオスは、セットポイントを握った場面でラインコールに異議を唱え、主審のファーガス・マーフィー(Fergus Murphy)氏からコードバイオレーションを取られて怒りを爆発させた。

 先月のイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2019)でも暴言を吐いた揚げ句に椅子をコートに投げ入れて失格となったキリオスは、審判のコールに納得せず、コートを去ると脅すかのように「試合を不正操作しようとする線審がいるなら、100パーセントの力を注ぐ気はない。プレーしたくない」と言い放った。

 しかし、結局試合に戻ったキリオスは、カルバレス・バエナに7-6(7-4)、6-3で勝利。続けて臨んだ2回戦では、カナダのフェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger-Aliassime)に7-6(7-4)、6-7(3-7)、5-7で敗れた。

 キリオスは英国のホークアイ(Hawk-Eye)社が開発したボール追跡システムが使用できないアウトサイドのコートでプレーした後、「きょうは、ひどくお粗末なコールがいくつかあったと思う。俺やフェリックスに入るべきでないポイントがあって、それを互いに分け合っていた」とコメントした。

 キリオスはコート上での振る舞いでたびたび罰金を科せられており、先月のイタリア国際ではキャスパー・ルード(Casper Ruud、ノルウェー)との2回戦でかんしゃくを起こし、罰金2万ユーロ(約240万円)に加えて賞金3万4000ユーロ(約410万円)を没収される代償を支払った。

 しかしながら、キリオスは間違ったコールをした審判に何の処分も下さないのは二重基準だとして男子プロテニス協会(ATP)を批判し、「彼らが椅子の上でひどい判定を下しても、なぜ処分されない? これは数十万ドルを左右するような問題で、冗談では済まされない」と続けた。

「試合が終われば協会には関係ないから、彼らは笑い事で済ませている。何の調査も対処もしないなんて、ばかげている」「ひどい判定を想定して、なぜ別の審判を待機させておかない? 俺には理解できない。そのせいで罰金を支払わなければならないなんて」 (c)AFP