【6月23日 AFP】インドネシア人のラフマトゥラー(Rahmatullah)さん(24)は、より良い生活を求めて海で働くことを決めた。だが、待っていたのは生き地獄だった。奴隷のように扱われ、殴られ、満足な食事も与えられず、喉が渇いた時にはエアコンから排出される水を集めて飲んだ。

 反人身売買専門家らは、世界の水産業は強制労働にむしばまれていると指摘し、消費者は店で買ったり飲食店で口にしたりする海産物の「本当のコスト」に気付いていないと警告している。

 搾取されている労働者らは賃金の未払い、過重労働、暴力、けが、死にさえも直面しており、インドネシアなど東南アジア諸国はそうした労働力の主な提供元となっている。悪徳仲介業者らは、海に出れば良い報酬が得られると言って、教育を受けていない貧しい人々を勧誘する。

 ラフマトゥラーさんは、南米ペルー沖に行くと聞かされていた。月給は400ドル(約4万3000円)で、さらに1トンごとにボーナスが出るという話だったが、インドネシアの仲介業者にだまされたという。実際にはソマリアへ送られ、中国漁船で1日18時間の過酷な労働を9か月間強いられた。

 AFPの取材に応じたラフマトゥラーさんは、「奴隷になったみたいだった」と語った。「中国人の船員たちはきれいな水を飲んでいたが、私たちはエアコンから出る水滴を集めなければならなかった」「魚が十分に捕れなかった時には、体の具合が悪い時でもよく殴られた」と続けた。