【6月21日 AFP】フランスの動物保護団体「L214」は20日、脇腹にプラスチック製の「丸窓」を埋め込まれ、胃の内容物に直接手を入れられるようにされた牛の衝撃的な映像を公開した。畜産業での動物福祉をめぐる議論が再び過熱している。

 この器具は「カニューレ」や「フィステル」と呼ばれ、科学研究や農業の分野で数十年前から使われているが、一般には広く知られていない。

 L214によると、映像はフランス北西部の試験農場で今年2月から5月にかけて秘密裏に撮影された。農場は食品研究グループ、アブリル(Avril)傘下のフランス飼料大手サンデルス(Sanders)が所有している。

 L214は映像で、「牛の胃には、中に定期的に手を入れられるよう穴が開けられている。従業員は丸窓を定期的に開け、食品試料を中に入れたり取り出したりしている」と説明。同農場での「違法な実験と深刻な動物虐待」を地方検察当局に告発したと明らかにした。

 映像がソーシャルメディアで拡散したことを受け、アブリルは激しく反発し、「人々をあおる目的で夜間に撮影された画像を操作した」と非難。問題の処置は「動物研究で長年行われている」ものであり、「代替となる慣行の開発を目的とした研究で、現在(同農場の)牛6頭に」施されていると説明した。(c)AFP