【6月20日 AFP】(更新、写真追加)中国共産党の機関紙、人民日報(People's Daily)は20日、国際刑事警察機構(インターポール、InterpolICPO)前総裁の孟宏偉(Meng Hongwei)氏が裁判で、約1446万元(約2億2700万円)の賄賂を受け取った罪を認めたと報じた。

 人民日報によると孟氏は20日、中国・天津(Tianjin)市の中級人民法院(地裁)で行われた裁判で「悔いている様子を見せた」という。判決は「日時を選んで」言い渡されるという。

 裁判所が公開した写真には、2人の警察官に挟まれて座る孟氏が写っていた。薄茶色のジャケットを着ており、髪は白くなっていた。2017年に撮影された写真と比べてやつれたようにも見えた。

 中国では、習近平(Xi Jinping)国家主席が推進する汚職撲滅キャンペーンで身柄を拘束される共産党幹部が相次いでおり、反汚職の名を借りた政敵排除の手段だと非難する声も上がっている。

 孟氏は昨年9月、インターポール本部のあるフランスから中国に向かったのを最後に行方不明となった。その後、中国当局が収賄容疑で同氏を取り調べていることと、共産党からの除名を発表した。

 孟氏の妻グレース・メン(Grace Meng)さんは、自身と2人の子どもが拉致の標的とされる恐れがあると訴え、今年5月にフランスへの亡命が認められている。

 裁判所は、孟氏が2005~17年に、中国公安省の次官などの高い地位と権威を利用して、約1446万元相当の賄賂を受け取り、蓄財したとしている。

 インターポール総裁の任期は4年間で、孟氏は2020年まで務めるはずだった。孟氏が勝利した2016年の総裁選では、中国が海外在住の反体制派を一斉検挙するためにインターポールを利用するのではないかとの懸念が人権団体から上がっていた。(c)AFP