【6月20日 AFP】スペインサッカー連盟(RFEF)は19日、同国代表のルイス・エンリケ(Luis Enrique)監督が個人的な理由で辞任し、アシスタントコーチを務めていたロベルト・モレノ(Robert Moreno)氏が後任を務めることになったと発表した。

 プロ監督としての経験を持っていないモレノ氏は、スペインの直近3試合で監督代行を務めており、今後は欧州選手権(UEFA Euro 2020)の予選と本大会で指揮を執ることになる。

 スペインは昨年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)直前に指揮官を務めていたフレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)氏を解任し、フェルナンド・イエロ(Fernando Hierro)氏が後任を務めた。そうした混沌(こんとん)とした中で招へいされたのがエンリケ監督であり、スペインにとってモレノ氏はこの12か月で4人目の指揮官となる。

 RFEFのルイス・ルビアレス(Luis Rubiales)会長は、記者会見で「エンリケ監督からは、指揮官を続けられないと伝えられた」と明かした。「われわれは彼の状況を完全に尊重する」「エンリケ監督に感謝しなければならないし、代表チームの扉はいつでも開かれている」

 エンリケ監督は発表文の中で、辞任の理由について「3月から以前のように職務を全うすることができなくなったため」と明かしたが、個人的な問題については公表されていない。

 かつてはスカウトや相手チームの分析を担当していたモレノ氏は、エンリケ監督がこれまでに率いてきたスペイン1部リーグのセルタ(Celta de Vigo)やFCバルセロナ(FC Barcelona)、イタリア・セリエAのASローマ(AS Roma)で仕事をしてきた。

 しかし、モレノ氏が監督として初めて任される任務は、世界で最も才能に満ちた代表チームの一つを再建させることになるだろう。

 モレノ氏は「私は世界でもっとも要求の多いドレッシングルームで、ルイスと9年の時を共にした」と話した。「もし欧州選手権で優勝すれば、監督がどれだけの経験を持っていたかなんて、人々は気にしないだろう」

「うれしさと悲しさが混在する日だ。いつか監督になりたいと夢見ていたが、このような形での就任は望んでいなかった」「われわれはエンリケ監督が始めたことを今後も続けていき、欧州選手権優勝という最高の形で彼の仕事を完結させたい」 (c)AFP