■6年にわたる勾留で健康状態悪化

 イスラム主義組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」のメンバーとして知られ、エジプト初の文民大統領となったモルシ氏は、6年にわたる独房での勾留で健康状態が悪化していた。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のルパート・コルビル(Rupert Colville)報道官は18日、モルシ氏は長期にわたって独房に勾留されていたとみられると述べた上で、当局によるモルシ氏の処遇について「あらゆる側面」からの調査が必要だと訴えた。

 ムスリム同胞団が結成した自由公正党(Freedom and Justice Party)は、モルシ氏を「故意に時間をかけて殺害した」とエジプト当局を非難。モルシ氏に「治療を施さず」「最も基本的な人権を認めなかった」と主張した。

 エジプト政府は、これまでのところモルシ氏の死に関して公式にコメントしていない。現地メディアはモルシ氏死去についてほとんど報道しておらず、報道した場合でも「前大統領」の肩書き付きではなく、単にフルネームで言及している。

 英国の議員団は2018年3月、モルシ氏の勾留状況、特に糖尿病と肝疾患の不適切な治療が「早過ぎる死」の原因となる恐れがあると警鐘を鳴らしていた。クリスピン・ブラント(Crispin Blunt)英議員は18日、「残念ながら、われわれが正しかったことが証明された」と声明で述べた。(c)AFP/Farid Farid and Mona Salem