【6月19日 Xinhua News】中国青島(Qingdao)税関は14日、このほど絶滅危惧種製品である乾燥タツノオトシゴの大量密輸を摘発したことを明らかにした。容疑者は輸入申告した馬の皮の中に乾燥タツノオトシゴを隠していた。税関は2度にわたり、密輸された乾燥タツノオトシゴ1.28トン、計49万5361匹を押収、容疑者2人を逮捕した。中国の税関が近年摘発した中では、押収量が最大の乾燥タツノオトシゴ密輸事件となる。

 同税関によると、密輸取締部門が今年4月、山東省青州市の商社がペルーからの輸入品として申告した馬の皮の中に、袋に詰められた大量の乾燥タツノオトシゴが隠されている疑いがあるとの情報をつかんだ。同税関は一斉捜査と監視を経て、黄島口岸(通関地)で事件に関係するコンテナの検査を実施。大型X線検査設備でスキャンしたところ、物品が挟まったコンテナがあることを確認した。

 密輸取締部門は直ちにコンテナを開けて検査を行い、内部にトレー包装された馬の皮を発見した。扉付近の馬の皮には物品は隠されていなかったが、袋詰めの乾燥タツノオトシゴが大量に隠されていた。トレー一つ分の馬の皮に4袋ずつ隠されており、重さは1袋当たり約13キログラムだった。

 現場で重さを量ったところ、コンテナ内に隠されていた乾燥タツノオトシゴは合計560キログラムにのぼった。同時に同税関の捜査員が迅速に出動し、容疑者2人を逮捕した。倉庫から密輸された乾燥タツノオトシゴ200キログラムを押収するとともに、大量の密輸の証拠を発見した。同税関は5月20日に再びこのグループが発注していたコンテナを差し押さえ、同様の手口で隠されていた乾燥タツノオトシゴ520キログラムを押収した。初期段階の取り調べで、容疑者は密輸の容疑を認めている。

 同税関によると、タツノオトシゴはワシントン条約(CITES)の付属書Ⅱに掲載されている絶滅危惧種であり、乾燥タツノオトシゴは希少動物製品に当たる。また、タツノオトシゴなどの絶滅危惧種およびその加工製品は、輸出入許可がある場合を除き、あらゆる取引方式または携帯、郵送による輸出入行為は違法であり、法的責任が問われるという。(c)Xinhua News/AFPBB News