【6月20日 Xinhua News】このほど発表された「2019中国飲料・清涼飲料水産業年度報告」によると、飲料・清涼飲料水産業に回復の兆候が見え始めた。中国では今年1~4月の清涼飲料水の生産量は前年同期比3.9%増の4855.4トン、ビール生産量は同0.8%増の1128.8キロリットルに達した。一方で、M&A(合併・買収)の件数も増加した。今年1~5月の中国飲料産業の主な投資・M&A件数は計10件で、半数がドリンクスタンドに関するものだった。上海証券報が伝えた。

 報告によると、中国人の所得向上に伴い、消費の二極化傾向も浮き彫りになっている。健康関連、高級な飲料・清涼飲料水に対する需要が増え続け、近年は各ブランドが無糖・低糖、低脂肪、プロバイオティクス、植物由来などのキーワードをめぐり、商品を発売してきた。

 上海市飲料産業協会副会長で、上海市東方世紀消費財発展促進センター主任の陳傑(Chen Jie)博士によると、中国の小売市場では、デパートやスーパーなどの販路の成長が減速し、大手ECサイトの天猫(Tmall)、京東商城(JD.com)も成長が頭打ちになっている。このため、生鮮品デリバリーを展開する「毎日優鮮」や「叮咚買菜」に代表されるB2C(消費者向け)サービス、ファミリーマート(FamilyMart)、ローソン(Lawson)、永輝超市に代表される小型小売店、「餓了麼(Ele.Me)」、美団に代表されるネット出前サービス、飲食店・ベーカリーなどが、2019年の飲料・清涼飲料水産業において成長が見込める販路になる見通しだという。

 上海市東方世紀消費財発展促進センターのモニタリング結果では、今年1~5月、中国飲料産業の主な投資・M&A件数は計10件で、半数がドリンクスタンドに関するものだった。陳氏は「投資家が飲料・清涼飲料水市場の先行きを好感していることも反映している」との見方を示している。中国では2018年1~9月、ドリンクスタンドの店舗数が前年同期比74%増の41万店に達し、今年も増加し続けるとみられる。

 報告では、飲料・清涼飲料水は発展の過程で困惑や問題にも直面していると説明。従来型製品の発展が行き詰まり、商品自体とそのパッケージデザインが時代遅れになったことで、若者に受け入れられず、値引きの余地が狭くなり、販売と利益が下降の一途をたどっているとした。(c)Xinhua News/AFPBB News