【6月18日 時事通信社】中国の進出をけん制する「自由で開かれたインド太平洋」構想を日米両国と共有するインドが、対米外交でしたたかな一面を見せている。米国がインドへの途上国向け関税優遇措置を打ち切れば対抗措置を取り、中国やロシアともしっかり関係を維持する。政策課題ごとに「是々非々」(外交筋)の姿勢で臨んでいる。

 米印両国は、中国がシルクロード経済圏構想「一帯一路」を利用してインド周辺への進出を強めることへの警戒感から、オバマ前米政権以降関係を強化してきた。2017年にはモディ首相が訪米しトランプ大統領と会談。昨年12月には初の日米印3カ国の首脳会談で、対中国を念頭に戦略的パートナーシップを深めることを確認した。

 一方、インドは中国との融和にも動いている。17年には中印両軍が2カ月以上にわたり国境地帯でにらみ合ったが、昨年4月の非公式首脳会談などを経て関係が改善。インドは同6月、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)から1億ドル(約108億円)の融資を引き出した。

 日本政府関係者は「AIIBを通じ、間接的に中国から資金を引き出した形だ」と分析。貿易などをめぐり米中関係が悪化する中、自国で不足するインフラ整備資金を補うためインドは独自の外交を展開していると指摘する。(c)時事通信社