「かつての「温かな我が家」」
このニュースをシェア
私たちにとって、幼い頃の記憶の中での自分の「家」は、家族と過ごす温かな場所である。「安全である」ことなど当たり前すぎて、意識することすらないだろう。
しかし、ガザの子供たちにとっての「家」にその安らぎは存在しない。そこにはみんなで囲む食卓も、毎晩楽しみにするテレビもない。あるのはガラスの破片と、穴から青空が覗く壁、それを見つめる家族の虚ろな表情だけ。
幼少期という、最も弱く、最も守られなければいけない時期に、心と身体の拠り所としての「家」が存在しないことがどんなに心細いか。私たちは、この1枚から想像するのが精一杯なのだ。
ではなぜ、自分たちには夜に安心して眠れる場所がないのか?
彼らが問い、その答えが「奪われたから」であることを知った時、どんな気持ちになるだろうか。
悲しみや痛みは、やがて憎しみとなり、次の悲劇の種を蒔く。
子供たちをその連鎖から救うために、何が出来るのか。そう考える機会を与えてくれたため、私はこの写真を選定した。獨協大学 萱橋 愛 紛争セクション