【6月18日 AFP】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック(Facebook)は18日、来年発行するとみられている独自の仮想通貨プロジェクトについて発表するとみられる。

 報道によれば複数の国の政府や金融大手も支持しているという。ビットコイン(Bitcoin)などの仮想通貨が基盤とするブロックチェーン技術が持つ激しい変動性を回避することを目指すとみられる。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、フェイスブックは「リブラ(Libra)」と呼ばれるコンソーシアムを立ち上げ、クレジットカード大手ビザ(Visa)、マスターカード(MasterCard)、オンライン決済サービスのペイパル(PayPal)、配車サービス大手のウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)などの企業や、通信会社、ベンチャーキャピタリストが参加する。参加各社は約1000万ドル(約11億円)をコンソーシアムに投資するという。

 またウォールストリート・ジャーナルは、コンソーシアムは外部から管理され、ドルやユーロなどの通貨と仮想通貨の交換レートを一定に保つことで消費者の信頼を得ることを目指していると報じた。

 仮想通貨に詳しい英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)のキャシー・マリガン(Cathy Mulligan)氏は、フェイスブックの計画について重要な疑問が残っていると指摘する。

 17日にスイス・ジュネーブの国連(UN)欧州本部を訪れた際にAFPの取材に応じたマリガン氏は、「規制に関する興味深い問題が幾つかある。まず、フェイスブックはグローバル企業だが、グローバルな通貨システムを構築するつもりなのか? それは管理するのが困難だ」と指摘し、「どうやって課税するのか? 消費に伴いどのような影響があるのか? どうやって通貨の流れを管理し規制するのか?」と疑問点を列挙。さらにプライバシー面でも懸念があると強調した。(c)AFP