【6月18日 AFP】ニュージーランド南島クライストチャーチ(Christchurch)の裁判所は18日、3月に起きたモスク(イスラム礼拝所)の銃乱射事件で犯人が生配信した動画を拡散したフィリップ・アープス(Philip Arps)被告(44)に対し、禁錮21月の判決を言い渡した。現地メディアが伝えた。

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 クライストチャーチで3月15日にオーストラリア国籍のブレントン・タラント(Brenton Tarrant)被告がモスク2か所を銃で襲撃した事件では51人が死亡。ニュージーランド史上最悪の銃乱射事件となった。

 事件の4日後に市内で逮捕されたアープス被告は、モスクを襲撃中にタラント被告がソーシャルメディアで生配信した動画を他者と共有し、不快なコンテンツを拡散したとして2件の罪で起訴され、自ら罪を認めていた。

 18日の裁判で、クライストチャーチ地裁のスティーブン・オドリスコル(Stephen O'Driscoll)裁判官はアープス被告の行為を「実質的にイスラム教コミュニティーに対する憎悪犯罪(ヘイトクライム)だ」と断じ、被告に禁錮刑判決を言い渡した。

 地元メディアNewshubによると、自称白人至上主義者のアープス被告は、2016年にもヌール・モスク(Al Noor Mosque)に豚の頭部を放置して攻撃的行為の罪に問われ、有罪判決を受けている。ヌール・モスクは3月の銃乱射事件で襲撃されたモスクの一つ。(c)AFP