【6月18日 AFP】インド北東部ビハール(Bihar)州で、脳へのウイルス感染が原因で子ども100人以上が死亡している。当局はライチの果実に含まれる毒素との関連を疑っている。

 1億人近くが住む同州は、インドの中でも最底辺にある貧しい州の一つ。6月初旬以降、急性脳炎症候群(AES)が流行している。同州はこのところ激しい暑さにも見舞われている。

 同国のPTI通信が伝えたムザファルプール(Muzaffarpur)市当局の情報によると、市内にあるビハール州最大の公営病院では、これまでに85人の子どもが死亡。さらに民間の医療施設で18人の子どもが亡くなっている。

 地元のテレビ局に対しある医師は、公営病院は設備が整っておらず、相次いで訪れる患者に対応できていないと語った。患者の多くは意識が混濁した状態で車いすに乗せられているという。

 保健当局によると、大半の患者は症状として血糖値の急低下がみられる他、てんかんなどの発作や意識障害が起こり、患者の3分の1以上が死に至っている。

 同じ地域では1995年以降、毎年夏になると同様の流行がみられ、特にライチが旬を迎える時期に集中している。2014年には過去最高の150人が亡くなった。数年前には米国の研究者らが、ライチの果実に含まれる毒素との関連の可能性を指摘している。(c)AFP/Mohd Imran Khan