【6月18日 AFP】(更新、写真追加)中国南西部の四川(Sichuan)省で17日夜、マグニチュード(M)6.0の強い地震が発生し、これまでに少なくとも12人が死亡、134人が負傷した。国営メディアなどが伝えた。

 中国地震台ネットワークセンター(China Earthquake Networks Center)によると地震は17日午後10時55分(日本時間同11時55分)ごろ発生。震源地は四川省宜賓(Yibin)市の外れで震源の深さは16キロ。その後少なくとも4回の余震が発生し、最大の余震はM5.1を記録した。

 米地質調査所(USGS)は本震の規模をM5.8とし、「大規模な損壊が発生したとみられ、被害が広範囲に及ぶ可能性が高い」との見解を示した。

 国営新華社(Xinhua)通信は地元当局者の話として、死傷者はすべて宜賓市の長寧(Changning)、コン(Gong、コンは王へんに共)両県で記録されたと報じた。当初は18日朝までに6人が死亡したと伝えられていた。

 中国中央テレビ(CCTV)は、倒壊した建物から生存者を救助してストレッチャーに乗せる救助隊員らの映像を放送した。また震源地近くでホテル1棟が倒壊したが、今のところ死傷者の有無は分かっていない。宜賓市当局によると、多数の建物が損壊・倒壊したため4000人以上が避難している。また、複数の地域で幹線道路に亀裂が入ったとの報告がある。

 新華社通信によると、地震の揺れが到達する3秒前に緊急地震速報が出ると死傷者が14%少なくなるとされている。今回の地震では四川省の省都、成都(Chengdu)で揺れが到達する約1分前に、震源に近い四川省宜賓でも10秒前に緊急地震速報が出た。

 激しい雨の中、被災地には消防隊員500人以上が出動。その他テント5000張り、折り畳み式ベッド1万台などの支援物品を携えた救助隊も派遣された。

 四川省は地震が多く、2008年にはM7.9の大地震で約8万7000人の死者・行方不明者が出た。(c)AFP