■業界の二極化

『おおかみこどもの雨と雪(Wolf Children)』『バケモノの子(The Boy and the Beast)』『時をかける少女(The Girl who Leapt Through Time)』などの作品で知られる巨匠、細田守(Mamoru Hosoda)氏でさえも、比較的小規模な制作チームで作業を進めるために過酷な長時間拘束を強いられていると昨年のAFPとのインタビューで語っている。

 渡辺氏は日本のアニメ業界が二極化していると指摘する。一方は大勢のアニメーターを集めることができる大手プロダクション、もう一方は低予算でより芸術性の高い作品づくりを目指す制作方式だ。

 さらにその一方で、ハリウッドでは『君の名は。』の実写版やドラマ『電車男(Train Man)』のリメークの制作が進んでいる。アニメに夢中な若者を主人公とした『電車男』はこれまでの世界的なメインストリームにはなかったジャンルだ。

 フランスのアニメ配給会社ユーロズーム(Eurozoom)の代表であるアメル・ラコンブ(Amel Lacombe)氏は、日本のアニメ業界の苦境の理由は業界の急成長にあると指摘し、「われわれは調整の時期にきている」と訴えた。

 ラコンブ氏はさらに、日本政府をはじめ各省庁がアニメの重要性に気付き、「輸出力」としてのアニメの世界的な影響力に注目していると思うとも語った。(c)AFP/Sophie LAUBIE in Annecy with Fiachra GIBBONS in Paris