【6月17日 AFP】バングラデシュ政府は16日、刑罰制度改革の一環として、200年前の英国植民地時代に導入され全国の刑務所で出されていたパンと糖蜜のみの朝食メニューを刷新したと発表した。

 刑務総局のバズルール・ラシード(Bazlur Rashid)副局長はAFPの取材に対し、8万1000人以上の受刑者を対象にした朝食メニューを、パン、野菜、菓子、キチュリ(米、レンズ豆、スパイスなどを入れて煮込んだ料理)に改善したと説明した。18世紀に英国の植民地当局が導入した従来のメニューはパン116グラムと糖蜜14.5グラムだけだったという。

 バングラデシュには60の刑務所があり、受刑者の定員は合計で3万5000人。極めて過密な状態になっており、人権団体からしばしば批判を受けている。食事の量と質にも受刑者から不満が出ていた。

 同副局長は、食事の改善は一連の改革の一環で「受刑者に意欲を持たせ社会復帰を促す」試みだと説明し、「われわれとしては、受刑者がこの施設にいる間に自己矯正ができるよう、漸次改善に取り組んでいる」と述べた。また首都ダッカのケラニガンジ(Keraniganj)中央刑務所で16日に新メニューの朝食が出されると数千人の受刑者から歓声が上がったと明らかにし、「良い食事はみんなを幸せにする」と語った。

 この他、通話内容はチェックされるが、受刑者が好きな時に手頃な料金で家族と電話で話せるようにもなったという。(c)AFP