【6月16日 AFP】フランス・パリのノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)で、壊滅的な被害をもたらした大火災からちょうど2か月となった15日、火災後初めてのミサが営まれた。残がいの落下に備え、司祭や信徒らはヘルメットを着用して参列した。

 ミサは15日午後6時(日本時間16日午前1時)、安全が確認された大聖堂東側の礼拝堂でパリ大司教区のミシェル・オペティ(Michel Aupetit)大司教によって執り行われ、テレビでも中継された。参列者は30人ほどで約半分は聖職者。残りはボランティアや修復作業関係者、少数の一般信徒だった。

 会衆席と聖歌隊の上部には安全用のネットが張られ、オペティ大司教も白い祭服にヘルメットを着用してミサに臨んだ。床には現在もがれきが散乱しているが、会衆席は損傷を免れていた。

 オペティ大司教は説教で「4月15日の火災は大聖堂を破壊し、大きな悲しみが信徒の輪を超えて広がった」と述べ、「この大聖堂は祈りの場だ。それが、この聖堂の唯一かつ真の目的である」と訴えた。

 ノートルダム大聖堂では毎年、6月16日を祭壇奉献の記念日として祝っており、火災後初のミサが15日に決まったのもこの日程に合わせたもの。

 パトリック・ショーべ(Patrick Chauvet)主任司祭は15日のミサ前、「宗教的に非常に深い意味を持つ日だ」とAFPに語り、ノートルダムが名実ともに健在だと示すことができて喜ばしいと付け加えた。(c)AFP/Karine PERRET