昨年と同じく、自動車が長らく育み、文化を築いてきた「感動」をもたらす資質のあるモデルを選んだのだが、懐古主義的な筆者をしても感動を呼び起こさせる電動車がついに現れたことに、新鮮な驚きと感慨を抱いている。
昨年は乗らずして2位に選んだが、ようやく乗ってみれば、往年の「Rタイプ・コンチネンタル」直系の洗練度に大感動。迷わず1位に選んだ。
2位 ジャガーIペイス
圧倒的に美しいスタイルやジャガーらしい乗り味。未来の自動車史家は、1961年におけるEタイプに匹敵するインパクトと見なすことだろう。
3位 ロールス・ロイス・カリナン
こちらも今年初乗りとなったカリナンは、SUVであっても純然たる「R-R」であることに感激。昨年と同じく、3位に選出させていただいた。
4位 アルピーヌA110
先般オリジンたる「A110 1600S」と乗り比べる機会を得て、スタイルのみならず、フィーリングや精神まで継承されていることが確認できた。
5位 ランボルギーニ・ウラカン/ウラカン・エヴォ(スパイダー含む)
先ごろ登場した改良版「エヴォ」となっても、依然として自然吸気のV10エンジンにこだわり続ける矜持には、喝采を送りたいところである。
6位 ベントレー・ベンテイガ(V8含む)
昔ながらの英国製高級車を思わせる露悪的なスタイルに惹かれていたが、さらにV8モデルではルックスに良く似合うワイルドな排気音も得た。
7位 フォルクスワーゲン・アルテオン
見た目のカッコ良さだけで充分に魅力的と言える、クールな4ドア・クーペ。当然ながら内容も良く、エレガンス仕様の登場でさらに魅力アップ。
8位 ルノー・メガーヌ(スポール含む)
秀逸な4輪操舵システムがもたらしたという、乗り心地とハンドリングを完全両立した「魔法のアシ」に、予想外の衝撃を受けることになった。
9位 シボレー・コルベット(コンバーチブル、グランスポーツ、Z06含む)
今年7月、ついにミッドシップ化された「C8」に取って代わられることが決定している「C7」。惜別の想いと未来への期待を込めて選択した。
10位 トヨタGRスープラ
まだ乗る機会には恵まれていないものの、昨夏のグッドウッドFoSで偽装状態のデビューを見届けて以来、心のどこかで応援してしまっている。
11位 マクラーレン720S(スパイダー含む)
独特のエレガンスを湛えたスタイリングや圧倒されるような速さは、同じV8ターボを搭載するイタリア製某ライバルとは別次元に感じられる。
12位 キャデラックXT5クロスオーバー
ほかのあらゆるSUVにも似ていない、クールなスタイル。まったく気負わずに乗ることのできるカジュアルさは、キャデラックの新境地と感じる。
13位 ジャガーFタイプ(コンバーチブル含む)
「小股の切れ上がった」という古い表現が似合うカッコ良さに、昨年と同じく抗えなかった。2リッター版を含め、どのエンジンを選んでも愉しい。
14位 メルセデス・ベンツSクラス・セダン(AMGS63/S65除く)
マイナーチェンジ版は、Sクラスが大型高級車のジャンルで再び世界の頂点に立ったことを実感させた。特にS400dには、感動を禁じ得ない。
15位 フォルクスワーゲン・ポロ(ポロGTI含む)
Bセグメントの基準点を再び規定する圧倒的な完成度を見せ、これ以上はサイズであっても動力性能であっても「余剰」と思わせてくれる。
16位 スズキ・ジムニー(シエラ含む)
肝心のオフロードでは試乗していないものの、街乗りでも独特のお洒落さが、往年のルノー4やフィアット・パンダなどにも通じるかに思われた。
17位 レンジローバー
誕生から数年を経て、いささかの旧さも見え始めたが、今年初めて運転する機会を得た3リッターV6ディーゼル版には、新たな魅力が感じられた。
18位 キャデラックCT6
XT5と同じく、独特のクールなスタイルと相反するようなカジュアルな乗り味は、実に個性的。もっと評価されても良いと思わせる一台である。
19位 ベントレー・ミュルザンヌ(スピード含む)
誕生から10年を経たモデルながら、今年のベントレー100周年を記念して限定生産される「W.O.エディション」があまりにも素敵で、つい……。
20位 フォルクスワーゲン ザ・ビートル
1938年にKdFとして登場以来、三世代を経てついに生産を終えることになる「ビートル」に惜別の想い、そして将来の復活への期待を込めて。
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