【6月15日 AFP】ブラジル各地で14日、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領の年金制度改革に抗議するゼネストが実施され、サッカーのコパ・アメリカ(2019 Copa America)のボリビア戦を控えていたサンパウロ(Sao Paulo)では地下鉄などの公共交通機関がまひした。

 ブラジルの主要職能別労働組合の一つによると、ストの参加者は推定4500万人に上る。ニュースサイトG1の報道によると、200近いデモが確認されており、100都市以上がストの影響を受けた。コパ・アメリカのボリビア戦が行われたサンパウロでは公共交通機関がまひし、モルンビ・スタジアム(Morumbi Stadium)には警備強化の一環として警察の狙撃班も配備された。

 ボルソナロ氏はブラジルの年金制度の見直しを提案。自身の案が承認されなければ、年金制度によって国が破産すると警鐘を鳴らし、年金制度改革は、議会での法案可決を目指す一連の経済改革の要とされている。

 しかし、定年制の導入を含む年金制度改革は、労働組合や議会下院の反発を受けている。ボルソナロ氏が所属する超保守派の自由社会党(PSL)が下院に占める議席の割合は、わずか10%にすぎない。

 政府による経済改革の陣頭指揮を執っているパウロ・ゲジス(Paulo Guedes)経済相は、年金改革法案が否決されるか、大幅に骨抜きにされた場合、辞任も辞さない考えを示している。

 ボルソナロ氏は大統領就任からこれまでの約半年間、中南米最大のブラジル経済が景気後退に陥るのを防ごうと改革案の可決を目指しているが、支持率は急落している。(c)AFP/Rosa SULLEIRO