【6月14日 AFP】ニュージーランド南島のクライストチャーチ(Christchurch)で3月に起きた銃乱射事件で、モスク(イスラム礼拝所)2か所を襲撃し51人を殺害したとして起訴されたオーストラリア国籍のブレントン・タラント(Brenton Tarrant)被告(28)に対する司法手続きが14日行われ、被告はすべての罪状を否認した。初公判は、来年5月4日に開かれると決まった。

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 白人至上主義者を自称するタラント被告は、3月15日に起きた事件に絡み、殺人罪51件、殺人未遂罪40件、テロ行為罪1件に問われている。

 タラント被告はニュージーランド北島オークランド(Auckland)の勾留施設から、厳重な警備態勢の下、ビデオ回線を介してクライストチャーチ高裁での司法手続きに参加。黙って座ったまま、代理人のシェーン・テイト(Shane Tait)弁護士が「すべての罪状について無罪を主張する」と代弁するのを聞いていたが、法廷内では時折、薄ら笑いを浮かべる場面もあった。

 法廷には事件の生存者や犠牲者の親族ら80人ほどが詰め掛け、手続きを見守ったが、被告の態度に怒りや悲しみをあらわにする声が相次いだ。(c)AFP