【6月14日 AFP】スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)は13日、イングランド・プレミアリーグのチェルシー(Chelsea)から獲得したエデン・アザール(Eden Hazard)の入団発表記者会見を行った。

 本拠地サンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)に集まった約5万人のファンの前でお披露目されたアザールは、レアルで「ギャラクティコ(銀河系軍団の一員)」になりたいと述べ、今回の移籍は自身のキャリアの中でも完璧なタイミングだったと考えていると明かした。

 アザールは記者会見で、「僕はまだギャラクティコではないが、いつの日かそうした存在になれることを願っている」と語った。

「これまでにあらゆることを成し遂げてきたが、ゼロからの再出発になるだろう。僕はギャラクティコではなく、エデン・アザールだ。才能ある一人の選手にすぎない」

 アザールと5年契約を結んだレアルは、チェルシーにまず1億ユーロ(約122億円)を支払い、その後もボーナスとして4500万ユーロ(約55億円)を手渡す可能性がある。

 昨年行われたW杯ロシア大会(2018 World Cup)の後にもレアルからアプローチがあったと認めたアザールは、それでもチェルシーを離れるのにふさわしいタイミングは今夏だったと主張した。

「遅すぎたとは思わない。僕は28歳だし、選手として最も脂が乗っている時期だ」「リール(Lille OSC)やチェルシーでプレーしたこれまでには、さまざまな段階があった。世界最高のクラブに加入するのは今がふさわしかったと感じている」

 クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が退団したレアルは今季苦戦を強いられ、アザールにはその穴を埋める活躍が求められる。

 レアルは今夏、すでにエデル・ミリトン(Eder Militao)やルカ・ヨビッチ(Luka Jovic)、フェルラン・メンディ(Ferland Mendy)を補強しているが、ジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督の再就任後、指揮官の意思が反映された補強はアザールが最初となる。

 アザールは「レアルのようなチームでは、スター選手は一人だけじゃない。チーム自体がスターだ」と続けた。「チェルシーでは7年間プレーしたが、このチームでは新人。できるだけ貢献したい」

 また、レアルで世界最高の選手になりたいかと問われたアザールは、「挑戦するつもりだが、まずはこのクラブを世界で最高のチームにしたい」と返答。さらに、今回の移籍を決めるにあたりジダン監督の存在が大きな要因になったと認めた。

「ジダン監督が僕の子どもの頃のアイドルだったのは誰もが知っている」「ジダン監督がチームを率いているというのは重要な要素だが、移籍の決め手はそれだけじゃない。ここでプレーしたいという気持ちをずっと持っていた」

「レアルのファンになり始めたとき、僕はまだ子どもで、きょうだいと一緒に庭でサッカーをしていた」

「それからフランスでプレーするようになり、イングランドに渡った。けれど、レアルの選手になってこのユニホームを着ることは名誉だ。新シーズンの開幕が待ちきれない」

 背番号が入っていないユニホームを着てファンの前に現れたアザールは、チェルシーのマテオ・コバチッチ(Mateo Kovacic)を通じて、クロアチア代表のチームメートであるルカ・モドリッチ(Luka Modric)にレアルの背番号10について尋ねてもらったと認めた。

「コバチッチを通じてモドリッチと話すことができた。冗談で、背番号10を譲ってほしいと言った」「彼には断られたから、他の番号を探さないとね」 (c)AFP/Thomas ALLNUTT