【6月15日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)カンゼ・チベット族自治州康定市ではこのところ、複数の小型無人機(ドローン)が頻繁に昇降し、高原に立つ送電鉄塔の周囲を旋回しながら飛び回る姿をよく見かける。中国国有送電大手、国家電網傘下の四川電力送変電建設・瀘定(Luding)支部で送電線の保守と点検を行う巡回検査班の江宗武(Jiang Zongwu)班長は「高所用のドローンを使い始めてから、巡回検査の作業効率が大幅に向上した」と語った。

 チベット族が多く居住する高原地域は自然環境が厳しく、山や川を越えての過酷な巡回検査で作業員が高山病にかかることも頻繁だった。従来の人の手による高所での活線作業では通電部分の細かな点検も難しかった。

 こうした難題に対応するために、同社では2015年から専門メーカーと提携し、巡回検査専用の高性能ドローンを開発した。高容量電池を内蔵することで4キロ離れた距離からでも検査が可能で、通電部分の超微細画像を30メートル先からでも撮影できる30倍光学ズームカメラも搭載している。

 江氏によると、ドローンを使うとわずか30分で1~2ルートの検査を完了することができ、人の手による検査と比べて所要時間は3分の1から5分の1まで短縮できるという。

 同社応急処理センターでドローンの責任者を務める田力(Tian Li)氏は、四川省チベット族居住地域でのドローンによる定期巡回検査のカバー率は現時点で約33%だと説明。3年以内に50%以上に引き上げる見通しを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News