【6月13日 AFP】自転車ロードレースのツール・ド・フランス(Tour de France)で通算4度の総合優勝を誇るクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が12日、猛スピードで落車して脚や腰のほか、腕や肋骨(ろっこつ)を折る大けがをし、今年の同大会を欠場することが決まった。

 所属チームのチーム・イネオス(Team INEOS)は、34歳のフルームがクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ(Criterium du Dauphine 2019)第4ステージの個人タイムトライアルに向けてコースの「下見」をしていた際、終盤に強風にあおられて壁に激突し、今年のツールで通算5度目の総合優勝を果たす夢が絶たれたと明かした。

 チーム代表を務めるデイブ・ブレイルスフォード(Dave Brailsford)氏によると、フルームは右の大腿(だいたい)骨、肘、肋骨(ろっこつ)など複数か所を骨折しており、「仏サンテティエンヌ(Saint-Etienne)の病院に少なくとも2日間入院」し、今後の治療方針を決めることになるという。

 ブレイルスフォード氏は英BBCに対して、フルームが鼻をかもうとしてハンドルから手を離し、「前輪が風にあおられて壁にぶつかった」と説明。「つらいというのが正直なところだ。良い状態とは言えない」と付け加えた。

 フルームがクラッシュしたのは、チームメートのワウト・プルス(Wout Poels、オランダ)と一緒に高速で坂を下っていた時だったと話したブレイルスフォード氏はまた、フランスのテレビ局に対して、「彼らはかなりの速さで走行していた。フルームは風で前輪のバランスを崩し、そのまま壁に激突した」と語った。

 事故現場となったのは、ロワール(Loire)地方に位置するサンタンドレダプション(Saint-Andre d'Apchon)の村を通り抜ける狭い坂道で、同じく下見をしていた他の選手によると、フルームは時速60キロで走っていたとみられる。ブレイルスフォード氏は、フルームが救急車で治療を受けていた際に、「彼はほとんど話ができない状態だ」と話していた。(c)AFP/Jean MONTOIS