【6月11日 AFP】インド北部パンジャブ(Punjab)州で11日、狭い井戸の中で4日超にわたり取り残されていた男児(2)が引き上げられたものの、その後死亡が確認された。

 ファテビール・シン(Fatehveer Singh)ちゃんは6日、遊んでいる最中に深さ33メートルの井戸に転落した。

 使われなくなっていたこの井戸は直径23センチと狭く、多数の救急隊員とボランティアによる必死の救出活動は複雑化。救出現場には地元住民の他、テレビ局のカメラもその様子を見守り、全国からの注目が集まっていた。

 地元議員はAFPに対し、「男児はもう生きていない。朝の5時にインド国家災害対応部隊(NDRF)によって引き上げられたのだが」と述べた。

 ファテビールちゃんは州都チャンディガル(Chandigarh)の病院へ航空機を使って搬送されたものの、病院で死亡が確認された。

 救出活動では、古井戸と平行に穴が掘られ、さらに直径約90センチのパイプを穴に挿入し、ファテビールちゃんの元へ到達を試みた。ファテビールちゃんの元には酸素が供給されたものの、食料や水は届かなかった。

 古井戸はファテビールちゃんの家族が1984年に掘ったもので、かんがい用の水をくむために使われていたが、91年以降は使用されていなかった。

 事故を受けてパンジャブ州首相は、州全域でふさがれていない井戸の取り締まりを命じた。

 映像は、死亡したファテビールちゃんの遺体を運ぶ救急車。印NNISが11日に撮影、提供。(c)AFP