【6月11日 AFP】インド当局は11日、家族がつくった借金1万ルピー(約1万6000円)をめぐって2歳の女児が惨殺されたことを受け、同国北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州の町に数百人規模の警察官を配置し、インターネットを遮断する措置を取った。事件を受けて現地では、宗教間の緊張が高まっている。

 事件は同州アリーガル(Aligarh)県で発生。ごみ捨て場に遺棄されていたヒンズー教徒の女児の遺体は2日、切断された状態で発見された。警察によると、女児は殴打されて絞め殺されていたという。

 容疑者の男たちは、女児が暮らしていた町で多数を占めるイスラム教徒であったことから、イスラム教徒とヒンズー教徒の間で緊張が高まっている。

 この町では複数のヒンズー教徒の右派団体が抗議活動を行っており、当局が犯人らに「直ちに裁きを下して」罰するべきだと訴えている。

 9日にも別の右派団体が犯人らの死刑を求めて集会を開き、10日には極右団体「世界ヒンズー協会(VHP)」の著名な指導者が、女児の家族の元を訪れようとしたところ、警察に阻止された。

 これらの団体は「大規模集会」を企画していたものの、これも警察に阻止された。

 警察は女児が性的暴行を受けていなかったとみられると報告しているものの、国内で横行する子どもへの性暴力に対する根深い怒りと相まって、ソーシャルメディア上では性的暴行を受けたとする裏付けのない情報が繰り返し投稿されている。(c)AFP