ハンガリー遊覧船沈没、船体の引き揚げ作業開始
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【6月11日 AFP】ハンガリーの警察当局は11日、首都ブダペストを流れるドナウ(Danube)川での衝突事故により沈没した、遊覧船の引き揚げ作業を開始した。先月発生したこの事故では、少なくとも20人が死亡し8人が行方不明になっている。
作業開始から1時間ほど経過した午前6時ごろ、「人魚」という意味の名前が付けられた遊覧船の船橋(ブリッジ)と上甲板が姿を現した。現場で取材に当たるAFPのカメラマンによると、警察が船体から複数の遺体を収容したという。
乗客のほとんどは韓国人観光客だったこの遊覧船は5月29日、多くの船が行き交うエリアでより大型の観光船と衝突し、数秒のうちに沈没した。
乗客35人のうち生存者は7人のみとされ、さらなる生存者の発見は絶望視されている。
行方不明者の中には6歳の少女や、ハンガリー人の船長が含まれている。
引き揚げを主導する警察当局によると、作業は6時間ほどかかる可能性があり、その後ダイバーが船内に取り残された犠牲者の捜索を行うという。
事故以来、数週間続いた雨によって川が増水し水流が強まったため、これまで沈没した船の内部に入ることができず、代わりに作業員らは遊覧船の底と胴体に装具を取り付け、クレーンで遊覧船を引き揚げる作業に当たっていた。(c)AFP