■イスラム教「中国化」5か年計画

 エイティガールの政府公認イマーム(宗教指導者)であるジュマ・マイマイティ(Juma Maimaiti)氏はAFPの取材に応じたが、これは中国共産党宣伝部門のお膳立てで実現したものだった。同氏はモスクの解体は「ここでは起きていない」「政府は重要なモスクの保護を進めている」と主張した。カシュガル市内にはモスクが150か所以上あるという。

 だが、人前でイスラム教のあいさつを交わしたり、断食をしたりすることは禁じられていると、米ワシントン大学(University of Washington)のウイグル文化専門家ダーレン・バイラー(Darren Byler)氏は指摘する。

 信仰を実践し続けるウイグル人はいるが、「今は人前でそれを表さない」という。

 政府公認のモスクの宗教活動は当局に管理されている。これについて、政府公認の中国イスラム協会(Islamic Association of China)の代表を務める楊発明(Yang Faming)氏は今年1月、中国政府が「イスラム教を健全に発展させる唯一の方法」として、イスラム教を「中国化する」5か年計画を実施するためだと説明している。

 多くのモスクには、「愛党、愛国」などのプロパガンダが書かれた看板が掲げられているが、カシュガル南部イェンギサール(Yengisar)県にあるモスクの敷地には、習近平(Xi Jinping)国家主席の写真が飾られていた。

 そのモスクの壁一面に掛けられた赤い垂れ幕にはこう書かれていた。「統一と安定は幸い」「分裂と混乱は災い」 (c)AFP/Eva Xiao and Pak Yiu