【6月9日 AFP】世界最高峰エベレスト(Mount Everest、標高8848メートル)で亡くなった登山者4人の遺体をめぐり、ネパール当局が身元特定という新たな難題に直面している。

 風と低温にさらされたせいで、ほぼ骨と皮ばかりになった遺体は2週間前、11トン近い量のごみとともにエベレストで収容された。以来、首都カトマンズの遺体安置所にとめ置かれている。

 警察と政府当局者らは、亡くなった登山者らの名前を確認し、母国に移送するというのは困難な課題だと認めている。

 多数の遺体が眠ったままのエベレストで、4人が消息を絶ってから遺体が発見されるまでに、どれだけの時間が経過したのかさえ定かではない。

 4人の遺体はこの春の登山シーズンに、エベレストのベースキャンプと標高7906メートルのサウス・コル(South Col)の間で、政府が組織した清掃部隊によって収容された。

 警察幹部の一人はAFPに対し、「遺体は判別できる状態でなく、ほとんど骨と皮ばかりになっている。身元を特定するにも、人相が分からない」と説明。「名乗り出た遺族のものと照合できるようにするため、DNAサンプルを収集するよう病院に指示している」と語った。