【6月9日 AFP】ロシアの裁判所は7日、違法に捕獲したシャチを同国極東地方で狭い「監獄」のようないけすに閉じ込めていた漁業会社に罰金を支払うよう命じた。

 この会社は外国の水族館などにイルカやシャチを輸出するホワイトホエール(White Whale)社。ロシア極東のナホトカ(Nakhodka)付近でシャチ10頭とシロイルカ87頭を狭いいけすに閉じ込めている4社のうちの1社だった。

 中国の水族館に売却する目的で同社が多数のイルカやシャチを閉じ込めていた狭いいけすのことを、メディアは「イルカ監獄」と呼んで報じていた。

 通信社の報道や環境活動家の話によると、ロシア極東の都市ウラジオストク(Vladivostok)の地方裁判所は、ホワイトホエール社が漁業規則に違反してシャチ3頭を捕獲したとし、同社に2810万ルーブル(約4700万円)の罰金を支払うよう命じた。

 高い知能を持ち、社会性もある海洋哺乳動物であるシャチとシロイルカの捕獲は国際社会に衝撃を与え、科学者や著名人らが解放するよう求めていた。

 海洋哺乳動物の捕獲と保有に関するロシアの法律には複数の抜け穴がある。問題になった各社は、適切な手続きをしており、捕獲したイルカやシャチを外国の水族館に届ける予定だと主張していた。

 ロシア当局は捕獲されたこれらのシャチとシロイルカをすべて解放すると約束したが、その具体的な時期や方法は明らかにしていない。当局は先に解放は5月か6月になるとしていたが、ドミトリー・コブイルキン(Dmitry Kobylkin)天然資源環境相は先週、捕獲されているシャチやシロイルカは「7月か8月」に解放されると述べた。(c)AFP