【6月9日 AFP】訪日中のブリュノ・ルメール(Bruno Le Maire)仏経済・財務相は8日、仏自動車大手ルノー(Renault)とその長年のパートナー日産自動車(Nissan Motor)について、提携強化のために仏政府のルノー株保有比率の引き下げを検討する用意があると述べた。

 これに先立ち、欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は、仏政府の政治的抵抗のために交渉が「理不尽」なものになったと述べ、ルノーとの経営統合提案を撤回していた。

 ルメール氏は福岡市で開幕した20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に合わせて行われたAFPのインタビューの中で、仏政府がルノー株の保有率15%を引き下げることで日産とルノーの提携関係が「より強固」になるのならば、保有比率引き下げを検討することもあり得ると述べた。

 ルメール氏はルノーについて、他社との提携を目指す前に、まずはパートナーである日産との提携強化に専念すべきとの見解を示した上で、「さもなくば、トランプのカードで作る家のように全てが崩れる恐れがある」と警鐘を鳴らした。

 ルメール氏は、提携強化をどのように進めるかは、ルノーと日産のトップ次第だと述べた。日産前会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告の衝撃的な逮捕の後、ルノーと日産の関係は緊迫化している。ルノーは日産との完全な経営統合を強く要求しているが、日産側はこの要求に深い疑念を抱いている。(c)AFP