【6月9日 AFP】8日に行われた全仏オープンテニス(French Open 2019)の男子シングルス準決勝でドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)に敗れ、史上2人目となるキャリア2度目の四大大会(グランドスラム)4連勝を逃したノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、敗因に「ハリケーンのようなコンディション」を挙げ、怒りを口にした。

【関連記事】強風で金属板落下、錦織の試合が一時中断に 全仏OP

 世界ランキング1位のジョコビッチは風や雨への対応でティエムに劣り、計4時間を超える2日がかりの一戦に2-6、6-3、5-7、7-5、5-7で敗北。ロッド・レーバー(Rod Laver)氏以来となる快挙達成はならなかった。ジョコビッチは試合後「ハリケーンのようなコンディションでは、自分のベストのプレーを出すのは難しい」と語った。

「このようなコンディションでは何とか踏みとどまることしかできない。自分のサーブを何とかキープし、相手より一球でも多くコートに入れるというようなことしかね」「これがきのうプレーして思った正直な感想だ」

「今回の敗戦について理由を挙げたり、言い訳を見つけたりすることはしたくない。彼(ティエム)はそうしたコンディションの中でうまくプレーし、勝利したのだから。彼をたたえたい」

 前日は1セットオールで迎えた第3セットをティエムが3-1とリードし、流れを完全に掌握していた中で順延が決まり、議論を呼んだ。

 この日の試合後、夜には最大で時速80キロメートルの強風が予想されていた前日のコンディションについて問われたジョコビッチは「自分が経験した中で過去最悪のコンディションの一つだった。それしか言えない」と答えた。

 前日には大会関係者をコート上に呼び、強風の中で試合を続行することに不満をぶつけていたジョコビッチは、この日も気分が晴れず、スポーツマンらしくない行為でコードバイオレーションを受ける場面があった。

「責任者にはコート上で物が飛んでいない限りは問題ないと言われた」といら立った様子で明かしたジョコビッチは「第1ゲームで傘が飛んでいたが、あれが物ではないとは知らなかった。でもあれが彼らの決定だ」「彼らの方がテニスを知っているのだろう」と続けた。

 一方、勝利した第4シードのティエムは、通算11度の全仏制覇を誇るディフェンディングチャンピオンのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)と2年連続で決勝で対戦する。(c)AFP/Dave JAMES