【6月8日 AFP】英高等法院は7日、同国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)の是非を問う国民投票に先立つ運動中に、故意に虚偽の発言をした疑いがあるとする告発を受けて出されたボリス・ジョンソン(Boris Johnson)前外相に対する出廷命令を無効とする判断を下した。テリーザ・メイ(Theresa May)首相の後任をめぐって争うジョンソン氏にとっては、大きな追い風となった。

 ジョンソン氏の弁護団は、私人訴追制度による今回の告発は「政治的動機に基づいたもの」で、コモンローにおいて前例がないと主張していた。

 4時間近くにわたった今回の審理では、2016年の国民投票に先立つ運動の最中、ジョンソン氏がEUからの離脱を主張し、故意に国民を欺いたかどうかについて検討した結果、ジョンソン氏側の主張を認める判断が下された。

 ジョンソン氏は、ブレグジットが実現すれば英国はEUに毎週3億5000万ポンド(約480億円)も支払う必要がなくなるとの主張を繰り広げていた。

 ジョンソン氏に対する告発は、ジョンソン氏が公職にあることを利用して故意に虚偽の主張をするという犯罪行為をしていたと主張していた。

 3億5000万ポンドという数字は英国によるEUへの支払金の総額を示しているが、EUからの払戻金や、EUの予算から英国の公共部門への支払いも含まれているため、実際の数字はずっと小さい。(c)AFP/Dmitry ZAKS