【6月8日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は7日、宇宙観光も含めた民間事業に国際宇宙ステーション(ISS)を開放すると発表した。地球の軌道を周回する実験施設であるISSの運営費削減につなげる。

 費用は、往復の移動費が約5800万ドル(約63億円)で、滞在費は1泊3万5000ドル(約380万円)。

 NASAのISS部門のロビン・ゲイテンズ(Robyn Gatens)副本部長は米ニューヨークのナスダック(NASDAQ)証券取引所で、年2回まで短期の民間宇宙飛行が実施されるだろうと述べた。

 NASAによると、民間飛行の滞在は最長30日で、ISSを訪問できるのは年間12人まで。

 ISSへの飛行には、米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)と米航空宇宙機器大手ボーイング(Boeing)の宇宙船が使用される予定。スペースXはカプセル型のクルー・ドラゴン(Crew Dragon)、ボーイングはスターライナー(Starliner)という宇宙船をそれぞれNASAのために開発中だ。両社が顧客を選定し、費用を請求する。旅行客は米国籍でなくてもよい。

 クルー・ドラゴンとスターライナーは今年後半の完成を目指しているが、日程は一連の試験の結果次第だ。そのため民間の宇宙飛行は早くても2020年からとなる。

 旅行客はISSや生命維持装置の使用料、飲食費をNASAに支払う。(c)AFP