【6月7日 AFP】世界の大手自動車メーカー十数社は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領に対し、市場の分裂を避けるため、排ガス規制を緩和しないよう正式に要請した。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が6日、報じた。

 同紙が公開したホワイトハウス(White House)宛ての書簡によると、申し入れを行ったのは、フォード・モーター(Ford Motor)、ゼネラル・モーターズ(General Motors)、トヨタ自動車(Toyota Motor)、ホンダ(Honda)、フォルクスワーゲン(Volkswagen)など。

 書簡の中でこれらの大手メーカーは、排ガス規制を緩和することで自動車業界に肩入れしようとするトランプ政権と、より積極的な環境政策を支持するカリフォルニア州に対し、折衷案を見いだすよう求めている。

 自動車業界はトランプ氏が大統領に就任した際、バラク・オバマ(Barack Obama)前政権で導入された排ガス規制の緩和を要請。トランプ政権は昨年になって、燃料改善基準の見直しを提案していた。

 しかしこれにより、カリフォルニア州をはじめ複数の州と法廷闘争に発展するとの懸念が広がり、業界側は今では、規制緩和がかえって米自動車市場の分裂や複雑化を招き、自動車の価格設定や販売車種の選定が困難になることを危惧している。

 譲歩を求める書簡は、カリフォルニア州知事にも送られたという。問題をめぐっては、米政府とカリフォルニア州の間で妥協点を探る協議も行われていたが、2月に政権側によって中断されている。(c)AFP