【6月12日 Xinhua News】中国江蘇省(Jiangsu)の南京大学(Nanjing University)は6日、同大学の研究員がこのほど金属酸化物ペロブスカイトをベースとする新2次元材料の作製に成功し、2次元レベルにおけるさまざまな新しい現象の直接観察にも成功したことを明らかにした。研究成果は6日、世界的な科学誌「Nature」に掲載された。

 研究チームを率いる潘暁晴(Pan Xiaoqing)教授によると、グラフェンを代表とする2次元結晶材料は物理化学的性質が多彩で、情報伝達などの分野で幅広い応用が期待されており、2004年に発見されて以来、ホットな研究分野となってきた。既知の2次元材料には物理的に剥離したものや人工的に成長させたものがあるが、いずれもそれ自身の特殊な層状構造や原子層間の弱い結合作用を利用して得られる。一方で非層状構造のペロブスカイトから原子層の厚みを持った超薄型の2次元材料を作製することは非常に困難であった。

 潘教授の説明によると、聶越峰(Nie Yuefeng)教授の研究チームは分子線エピタキシー法(MBE)と呼ばれる薄膜成長技術を採用し、高品質の単層ペロブスカイト2次元結晶膜の作製に成功したという。また、王鵬(Wang Peng)教授の研究チームは透過電子顕微鏡(TEM)による構造分析技術で2次元レベルでの試料作製、層数制御、精密な結晶の構造解析を実現し、ペロブスカイト薄膜の2次元レベルにおけるさまざまな新しい現象を直接観察することに成功した。(c)Xinhua News/AFPBB News