【6月7日 AFP】ローマ法王庁のラジオ放送、バチカン放送局(Vatican Radio)は8日から、ラテン語でのニュース放送とポッドキャスト配信を始める。

 5分間の番組「法王の一週間(Hebdomada Papae)」は、週1回配信。ポッドキャストでは複数言語の翻訳も合わせて配信する。バチカンの公用語ながら、話者の数が減り続けているラテン語の愛好者を増やそうとの狙いがあるという。

 法王庁のインターネットメディア、バチカンニュース(Vatican News)のアンドレア・トルニエッリ(Andrea Tornielli)総編集長は、「本来の意味でのラジオニュース番組で、ルポルタージュ(現地報告)と短信で構成されることになる」と説明。「過去を懐かしむのではなく、むしろ未来への挑戦と考えている」と語った。

 バチカン放送局の記者たちが、法王庁の公式文書やツイッター(Twitter)のラテン語版を担当している専門部署と共同で番組を制作する。

 ラテン語は現在もバチカン市国の公用語だが、最近は司法関係の文書や祈りの言葉として使われるにとどまり、日常業務ではイタリア語が、外交上のやり取りではフランス語が用いられている。多くの神学校でも、既にラテン語は必修科目ではなくなっている。(c)AFP