【6月7日 AFP】米ポップ界のスーパースター、マドンナ(Madonna)さんが、自身を特集した米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の記事「マドンナ、60歳(Madonna at Sixty)」について、「レイプされた気分」だと批判するとともに同紙を「家父長制度の始祖」と非難した。

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 マドンナさんは、特集記事では年齢が過度に強調されていると指摘。もし自分が男性だったなら、そうした扱いは受けなかったはずだと主張している。

 マドンナさんはインスタグラム(Instagram)への投稿で、「この記事を書いた記者は、何日も何時間も何か月も私と共に過ごし、多くの人には見る機会のなかった世界に招待されたにもかかわらず、私のスタンドイン(リハーサル中の代役)の民族性や、カーテンの生地といった取るに足らない表面的な事柄ばかり取り上げ、延々と私の年齢に言及している。私が男性だったなら、年齢が問題にされることはなかっただろう!」と不満を書き連ねた。

 その上でマドンナさんは、バネッサ・グリゴリアディス(Vanessa Grigoriadis)記者の手掛けた記事について、「レイプされた気分になった。そう、私は19歳の時にレイプされているから、この例えを使っても差し支えない」と続けた。

 特集記事の中でグリゴリアディス記者は、マドンナさんが最新アルバム「レベル・ハート(Rebel Heart)」の収録曲が発売前に流出した事件をめぐり「レイプされた気分だった」と述べたことに対し、「今どきの女性はその言葉を例えに使わないようにしていると説明するのは、何か違う気がした」と記していた。

 マドンナさんは特集記事について、「由緒あるNYタイムズが家父長制度の始祖の一つだという裏付けだ。私は言いたい──社会の構造に深く織り込まれた『家父長制度に死を』。根絶のための闘いを、私は絶対にやめない」と述べている。

 NYタイムズの特集記事は、全盛期80年代のマドンナを「鉄の意志によって、比類のない極めて自伝的で優れた社会的影響力を持つ超セクシーな女性ポップスターを構築し、女性らしさの模範として全米に君臨した」とたたえる一方、現在のマドンナについては「2世代も若いアーティストの中で存在を主張する60代」と表現。さらに、ラスベガスで開催されたビルボード・ミュージック・アワード(Billboard Music Awards)では、観客はマドンナさんより韓国のヒップホップボーイズグループ「BTS(防弾少年団)」に夢中だったようだと評している。(c)AFP