【6月6日 AFP】米アラバマ州議会は、有罪判決を受けた小児性愛者の仮出所を認める条件として、化学的去勢を義務付ける法案を可決した。化学的去勢に関しては賛否両論あるが、米国ではすでに複数の州で導入されている。

 法案は、13歳未満の未成年に対する性犯罪で有罪判決を受けた21歳以上の受刑者について、仮出所を認める前に男性ホルモンのテストステロンを減少させる薬物の服用を義務付けるもの。

 ヒトの性的衝動に影響を与える化学的去勢は、裁判官が「これ以上必要ない」と判断するまで続けられ、仮出所者が薬物の服用を中止した場合、刑務所に戻されることになる。例外的な事例を除き、費用は仮出所者の自己負担となる。

 カリフォルニア州は1996年に同様の手続きを導入。フロリダ州やジョージア州、アイオワ州、ルイジアナ州など複数の州も後に続いた。

 テキサス州の場合、有罪判決を受けた小児性愛者は、仮出所の認定を確実にするために自発的に物理的な去勢手術を受けることもできる。

 化学的去勢をめぐっては、性犯罪の予防に実際どれだけ効果があるのかをめぐる科学的な議論が行われてきたほか、性的衝動が完全に性的なものでなく心理的なものであることも明確に示した。

 化学的去勢は元に戻せることを意図したものだが、外見に関するものを含む、深刻な副作用を伴う場合もあるとの懸念の声もある。

 一部の人権団体からは、生涯にわたる化学的去勢は憲法が禁じる「残酷で異常な刑罰」に該当する可能性があるとの声も上がっている。(c)AFP