■「恐怖の光景」

 だが、今回の研究の最も興味深い結果は、最後のシナリオからもたらされた。ここでは、3種類のトカゲが同じ生息環境を共有することを余儀なくされた。

 従来の通説の下では、ゼンマイトカゲがアノールのどちらか一方が優勢となるのを防ぎ、平和的共存が全体に行き渡っていくはずだった。だが実際には、捕食者から逃れるために木の上へ移動したブラウンアノールは図らずもグリーンアノールと競争関係に陥り、悲惨な結果を招くことになった。

 ブラウンアノールの個体群は40%以上縮小した。グリーンアノールについては、実験を行った島のうちの2島で絶滅。全体の3分の1で個体数に変化はなく、1島のみで個体数がわずかに増加した。

 個体群の崩壊は、ゼンマイトカゲがアノールをめったに捕食しようとしなかったという事実にもかかわらず発生した。アノールは事実上、自らを絶滅に追い込んでいた。

「捕食者が作り出す『恐怖の光景』により、被食者は過酷な競争を余儀なくされる」と、プリングル准教授は指摘した。「捕食生物を持ち込むことが、その捕食生物に遭遇することすらない被食動物の絶滅を引き起こす可能性がある」(c)AFP/Sara HUSSEIN