【6月6日 AFP】スーダンの首都ハルツームの軍本部前で行われていた座り込みデモの強制排除に始まった治安部隊によるデモ隊弾圧で、これまでに少なくとも101人が死亡したことが分かった。デモ隊に近い医師委員会が明らかにした。

 スーダン医師中央委員会(Central Committee for Sudanese Doctors)は「現在までに医師らが確認した死者数は計101人だ」と述べた。同委員会は先の発表で、ナイル川(Nile River)から40人の遺体を収容したと述べていたが、それ以上の詳細については明らかにしていない。

 3日に座り込みデモを強制排除した治安部隊には、政府が支援する民兵組織「ジャンジャウィード(Janjaweed)」の元構成員が含まれているとされている。同組織はダルフール(Darfur)地方での残虐行為で世界を震撼(しんかん)させた。

 スーダンでは、独裁支配を続けていたオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)大統領の退陣を求める抗議デモを受け、4月に軍事評議会が大統領を失脚させて以降、同評議会による統治が続いている。

 デモ隊と軍事評議会は3年間の民政移管期間を設けることで同意したが、同評議会のアブドルファタハ・ブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)議長はデモ隊の強制排除後、合意は破棄されたとして、9か月以内に選挙を行うと発表。だがデモ隊はこの計画を拒否した。

 ブルハン議長は5日、「軍事評議会は条件なしの交渉に喜んで応じる」と述べたが、この申し出もデモ隊の指導者らによって直ちに拒絶された。(c)AFP