【6月6日 AFP】タイ議会で5日夜、プラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)暫定首相(65)が投票で新首相に選出された。タイはプラユット氏が2014年に主導したクーデター以来の民政に復帰する。

 元陸軍司令官のプラユット氏は保守的な王党派の軍機関により任命された上院議員250人の支持を確保し、唯一の対立候補で新未来党(Future Forward Party)党首のタナトーン・ジュンルンルアンキット(Thanathorn Juangroongruangkit)氏(40)を抑え500票を獲得。カリスマ性のある億万長者タナトーン氏の244票を大きく上回った。プラユット氏に対しては、主要中堅政党も水面下での懸命な協議の結果、親軍政党を中心とする連立政権に支持を表明していた。

 3月の総選挙では、プラユット氏の率いる親軍事政党は意外な健闘を見せ、軍司令官として文民政権を崩壊させた同氏は自身の首相の正統性を訴えていた。

 一方クーデターや激しい抗議デモ、短命の文民政権のあった13年を経て、タイは依然として深く分断されている。(c)AFP/Thanaporn PROMYAMYAI