【6月5日 AFP】ウクライナ当局は4日、酒に酔った状態で銃を発砲して男児(5)を射殺したとして、警官2人を逮捕した。事件を受けて国内では、警察にはびこる腐敗や責任逃れに対する怒りが巻き起こっている。

 国家捜査局によると、事件は先月31日、首都キエフから南西70キロに位置するペレヤスラフフメリニツキー(Pereyaslav-Khmelnytsky)市で発生。巡査2人が庭で飲酒し、缶を標的に射撃していたところ、銃弾が「5歳の男児に当たった」という。

 地元当局によると、男児の名はキリルちゃん。頭部に外傷を負って病院に搬送され、2度の救命手術を受けたものの3日に死亡した。

 イワン・プリホチコ(Ivan Prikhodko)容疑者とウォロディミル・ペトロベッツ(Volodymyr Petrovets)容疑者は当初、キリルちゃんは足を滑らせて頭を岩にぶつけたと主張していたが、後に身柄を拘束された。

 キエフの裁判所は4日、審理が終わるまで2人の保釈を認めず、留置するよう命じた。殺人罪で有罪となれば、終身刑が言い渡される可能性もある。

 先月大統領に就任したウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)氏は事件を受けて、男児の死の「責任を負う者を公正に処罰するため、あらゆる手を尽くす」と表明。

 また国家警察長官は、事件を受けてキエフ地方警察長官の解任を発表した。(c)AFP/Oleksandr SAVOCHENKO