【6月5日 AFP】ウィルバー・ロス(Wilbur Ross)米商務長官は4日、米国はテクノロジー産業と軍にとって重要な戦略的鉱物やレアアース(希土類)の供給を確保するため、「前例のない措置を講じる」と表明した。

 米中の貿易摩擦が高まる中、こうした重要鉱物資源の主要供給源である中国は、米国の対中関税への報復としてレアアース輸出を削減することを示唆。米側をけん制している。

 ロス長官は、このほど公表された報告書の内容として、ウラン、チタン、レアアース各種を含む鉱物35種類が「米経済と国家安全保障にとって決定的に重要」な鉱物に指定されたと説明した。いずれもスマートフォンやコンピューター、航空機、全地球測位システム(GPS)などに必要とされる素材。

 同長官は「これらの重要な鉱物は見過ごされがちだが、現代生活に不可欠なものだ」と指摘。米国への供給が途絶えないよう、「報告書に詳述した提案を通じ、連邦政府は前例のない措置を講じる」と述べた。

 報告書は「同盟諸国との投資・貿易」を通じた供給改善や、連邦政府所有地など国内での採掘許可の円滑化を含めた措置を勧告。さらに、国内での鉱物探査を促進するため、地図作成やデータ収集の改善計画も挙げている。(c)AFP