【6月5日 AFP】スペインの最高裁判所は4日、長期独裁を敷いたフランシスコ・フランコ(Francisco Franco)総統の遺体をスペイン内戦戦没者の慰霊施設にある墓から掘り起こす計画について、計画に反対する同総統の子孫による上訴を検討している間、掘り起こしを一時中断する判断を下した。

 社会労働党政権は3日、フランコ総統の遺体を首都マドリード近郊の慰霊施設「戦没者の谷(Valley of the Fallen)」から掘り起こし、より控えめな公営墓地に移動させる計画だった。ペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相は2018年6月の就任以降、この計画を政府の優先課題としてきた。

 裁判所は、計画を一時中断させる判断を「満場一致で」下したと述べた。遺体を移動させるべきではなく、現在遺体が眠る慰霊施設に戻すべきだと判断した際の「悪影響」を回避するためだと説明した。

「戦没者の谷」はフランコ政権が1940年から1959年にかけて建設した施設で、建設には政治囚も強制的に動員された。スペイン内戦は1930年代、選挙で選ばれた共和国の軍とフランコ将軍率いる反乱軍の間で起こったが、この施設には双方の死者約3万7000人も埋葬されている。(c)AFP