【6月10日 Xinhua News】中国浙江省(Zhejiang)金華市(Jinhua)義烏市(Yiwu)にある中国義烏科技起業パークでこのほど、最新の物流ロボット「Bee Robot」が公開された。ピッキング(在庫から品物を選び出すこと)の指示を受け、最適ルートを計画し、指定エリアに向かい、倉庫作業員を迅速に商品保管場所へ案内して正確なピッキングをサポートし、また次の目標地点に向かう。届いた注文書の全てのピッキングが終わるまで、ロボットの動きは止まらない。「Bee Robot」の一連の動きは、繁雑な物流ピッキング作業を軽々とこなしているように見える。

 最新の研究開発の成果「Bee Robot」は、日本市場参入を目指す中国製物流ロボットの一つであり、すでに日本企業と戦略的パートナーシップ協定を締結している。

 中国の大手ロボット企業、ハルビン工業大学ロボット集団有限公司(HRG)の寇宇(Kou Yu)副総裁は「ロボットを導入する以前は、倉庫作業員たちが小型カートを推しながら1万平方メートル以上ある倉庫内を回ってピッキングし、1日回ると『ハーフマラソン』になりかねない状況だった」と語り、こうした状況は人件費を上昇させ、倉庫作業員にも高い熟練度を要求していると説明した。

 「Bee Robot」は倉庫作業員の肉体的負担とピッキングミス発生率を効果的に低減させる。同時に作業効率を高め、多様な形状の商品に対応可能な交換式トレーによって、移動作業を便利にし、作業員が1件の注文のために倉庫中を走り回るような状況をなくすことができる。

 さらに「Bee Robot」の導入では、倉庫インフラ設備改修の必要性も低い。従来のナビゲーションロボットと比べて、このロボットシステムは電線も磁気ストリップも必要とせず、建物のインフラ関連設備を改修する必要もないため、ロボットの起動時間も非常に短い。

 2017年に研究開発を始めて以来、「Bee Robot」は6回のバージョンアップを経ており、実験試作品は日本の顧客に好評だった。研究開発者はテストの結果、同システムが倉庫ピッキング効率を従来の3倍以上にでき、物流業界で人手不足が起きている先進国の倉庫配送市場に適していることが示されたと指摘した。

 アリババグループ傘下の物流企業、菜鳥網絡(Cainiao Network)の上級技術専門家、李建軍(Li Jianjun)氏は、物流業界における新技術の最適化は、ロボットを含むさまざまな物流要素の配置を最適化し、効率向上とコスト削減を可能にし、持続的に中国ひいては世界各地の消費者に広く恩恵をもたらし、究極の物流体験を提供することができるとみている。(c)Xinhua News/AFPBB News