■がん進行リスクが47%減

 その結果、オラパリブはがんの進行リスクを対照群に比べて47%軽減することが明らかになった。オラパリブは製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)とメルク(Merck)が共同開発した薬で、「リムパーザ(Lynparza)」という商品名で販売されている。

 プラセボを与えた患者に比べて、オラパリブを投与した患者はがんの進行が抑制された期間が2倍近く(3.8か月に対して7.4か月)長かった。この尺度は「無増悪生存期間(PFS)の中央値」として知られている。

■腫瘍の縮小

 キンドラー氏は「オラパリブの投与で腫瘍が縮小した患者は全体の約4分の1に上り、腫瘍の縮小は2年以上維持された」と語った。キンドラー氏は今回の研究成果を米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical OncologyASCO)の年次総会で発表した。

 キンドラー氏は今回の研究の全体構想は「そのままでは死に至る予後を、少なくともしばらくの間は潜在的な慢性疾患に変えることが可能で、それを制御できるようになる」ということだと述べた。

 キンドラー氏はまた、膵臓がんで兄弟を亡くし、自分自身も膵臓がんであることを知らされたある男性患者の事例に言及した。この患者はBRCA変異を保有することが判明し、臨床試験の被験者となったという。

「CTスキャンを取るたびに、彼の腫瘍は徐々に小さくなっている」とキンドラー氏は話した。「薬を1日に2回服用しており、2年半が経過した今も普通の生活を送っている」 (c)AFP/Issam AHMED