EUの脱プラの波に乗れるか、ポーランドの「食べられる食器」
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【6月16日 AFP】ポーランドの起業家で発明家でもあるイェジ・ワイソッキ(Jerzy Wysocki)氏は、機械から出てきたばかりのまだ温かい茶色い皿をつかむと、パリパリと食べ始めた。
「ポークチョップは、プラスチック製の皿よりも小麦ふすまでできたこの皿で食べた方がおいしい」。ワイソッキ氏は、ポーランド北東部ザンブルフ(Zambrow)にある自身が経営する「バイオトレム(Biotrem)」の工場でそう言い、満面の笑みを浮かべた。
この食べられる皿はあまり味がしない。シリアルのようだが、段ボールをかじったらこんな味がするかもしれない。
だが、ワイソッキ氏は、重要なのはこの食器が生分解性であることだと話す。
環境に配慮する目的で、こうした食器を食べる必要はない。小麦ふすまで作られた製品は、適当な気象条件下でほんの少しの湿気があれば、通常なら1か月、雨の多い時期なら2週間もすれば分解される。
ワイソッキ氏がこの皿を開発したのは15年前だが、バイオトレムは現在、年間約1500万枚を製造している。製造方法について同氏は「原料は小麦ふすまのみで、専用の機械を使い、最適な温度と圧力で圧縮する」と説明した。
欧州連合(EU)は、プラスチック製の皿やカトラリーを2021年から禁止する予定で、バイオトレムの生産数も今後飛躍的に伸びる可能性がある。
ワイソッキ氏は現在60代で、父と祖父は製粉業を営んでいた。かなりの場所を取っていた小麦粉の余りを有効利用する方法はないかと考えていた時に、この食器のことを思い付いた。同時に、社会の役に立ちたいという思いにも突き動かされたという。「なぜなら、海を汚すごみの量は驚くほどだからだ」