【6月4日 AFP】スイス連邦最高裁判所は3日、五輪で二つの金メダルを獲得している陸上女子中距離のキャスター・セメンヤ(Caster Semenya、南アフリカ)らを対象にした国際陸上競技連盟(IAAF)の新規定を一時的に停止する仮命令を下した。

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 IAAFの新規定では、男性ホルモン値が基準より高い「高アンドロゲン」の女子選手が400メートルから1マイル(約1600メートル)の種目に参加するためには、体内のテストステロン値を人為的に下げなければならないと定められている。

 スポーツ仲裁裁判所(CAS)は先月、意見が分かれる中で、IAAFの新規定を「差別的」としながらも、女子陸上の公平性を確保するものとして「必要性」があると判断した。これを受け、2012年ロンドン五輪と2016年リオデジャネイロ五輪で女子800メートルを制したセメンヤは前週、スイス連邦最高裁判所への上訴を発表していた。

 裁判所の広報担当者は同日、AFPの取材に対して、さらなる審理が開かれるまでIAAFの規定適用を差し止める仮命令を出したと明らかにした。

 セメンヤは弁護団を通じて、「スイス裁判所の決断に感謝します」「上訴が認められ、もう一度自由に走れるようになることを願っています」とコメント。一方のIAAFは、「スイス連邦裁から何の通達も受け取っておらず、現時点ではコメントできない」としている。

 スイス連邦最高裁判所は今後数週間以内に、一時停止命令の延長に関して決断を下すことになっている。(c)AFP/Ben Simon