【6月4日 AFP】スウェーデンの裁判所は3日、2010年の性的暴行容疑をめぐり、内部告発サイト「ウィキリークス(Wikileaks)」創設者のジュリアン・アサンジ(Julian Assange)被告の身柄拘束を求めた検察当局の請求を却下した。これにより英国からスウェーデンへの身柄引き渡しの要請は困難となった。

 裁判所は、アサンジ被告には性的暴行容疑があり、「出頭しないなどの方法で捜査への参加を回避する可能性がある」との検察当局の見解に同意しつつも、被告が英国で収監されているため、捜査は別の方法で進めることが可能だとの理由で、拘束命令は「相応しくない」と説明。被告の弁護人による主張を支持した。

 請求が認められれば、英国からスウェーデンへのアサンジ被告の身柄引き渡しのための欧州逮捕状発付に向けた第一歩となるはずだった。

 オーストラリア国籍のアサンジ被告は、英国によるスウェーデンへの身柄引き渡し命令を避けるため、英ロンドンのエクアドル大使館に7年間にわたって籠城したが、今年4月11日、エクアドルが身柄の引き渡しを決め、英警察に逮捕された。

 アサンジ被告の2010年の性的暴行疑惑をめぐる捜査は2017年、被告の取り調べが不可能との理由で打ち切りとなっていたが、4月の逮捕を受け、スウェーデン検察当局は捜査を再開していた。

 アサンジ被告に対しては、米国から計18件の容疑に基づく身柄引き渡し要請が出されている。これら容疑の大半は、ウィキリークスでの軍事文書や外交電文の公開をめぐる機密情報の入手・拡散に関するもの。(c)AFP/Johannes LEDEL