【6月8日 Xinhua News】中国江西省(Jiangxi)の武夷山(Wuyishan)国家級自然保護区で、国家一級保護動物に指定されているマエガミホエジカ(Muntiacus crinifrons)が赤外線カメラで数回にわたり撮影された。

 中国固有のマエガミホエジカには亜種が存在せず、ワシントン条約の附属書Iに掲載されている。19世紀に発見され名前が付けられて以降、江西、安徽、浙江、福建各省の山岳部の数十の県にのみ分布が確認されるだけで、分布範囲が狭い上、個体群も少なく、見つけることの困難な動物とされている。

 2011年の同保護区でのマエガミホエジカの発見は、中国の学術界で1981年以降、30年にわたり途絶えていた新たな分布地発表の「静寂」を打ち破った。保護区の二つの中心エリアと隣接する緩衝エリア、試験エリアでは、これまでに十数台の赤外線カメラによりマエガミホエジカの姿が画像や動画として撮影されており、保護区内には比較的安定した健康的な個体群がいると考えられている。(c)Xinhua News/AFPBB News